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インキ止式軸の特徴

 ほとんどのインキ止式の場合、軸後部がつまみとなっておりますが、ねじを閉めると軸との間に段差がなく、そこがゆるむことが全くわからないような構造になっています。
 そして、インキ止式の場合、後ろをゆるめたまま書くので、そのねじをゆるめた後部つまみにキャップを装着して筆記するということになります。そのため、ゆるめたつまみにはめたキャップのがたつき感が気になることがあります。実際は私の製法では、ほとんどガタの無いねじを切っておりますので、私の品物の場合はがたつき感を感じることはありませんが、ねじがスムーズに回るようにする以上、隙間はゼロという訳にはいきませんし、ガタがなくても心理的に不安定さは感じるものです。

※従来型後部つまみのインキ止式軸
私の古い製品の画像(伝統的に従来のインキ止式軸のほとんどは下画像のような後部つまみ形式です)
上画像:ゆるめた後部つまみにキャップを装着する
下画像:後部つまみを閉めると軸との間に段差が無く、一見つまみをゆるめることが出来るようには見えないことが多い
old-sukima.jpg

old-nsukima.jpg


 しかし、以下の画像のような現在の私の品物では、筆記時は、後部つまみではなく、軸本体にキャップを装着するようになっております。その他基本的な事項は共通で、エボナイトならではの設計により、筆記時後部にキャップを装着したとき、全くガタガなく、書いていて後部に装着したキャップが外れることもなく、安定してお使いいただけます。

※15ミリ 黒エボナイト インキ止式軸 標準品 中大型ペン先仕様
***実際はクリップが装着されます***
15-2.jpg

15-1.jpg

15-3.jpg


 その他詳細は略しますが、従来型の後部構造にあるメリットは、すべて私のタイプでも併有しています(そのように設計してあります)。

 また、大きな特徴として、中芯と軸との間のパッキンは従来のコルクを全廃しています。様々なパッキンや潤滑剤を試し、ある特殊なパッキンを使用しております。また、自己給油方式を採用し、中芯を少し出し入れするだけで、パッキンに自動的に給油され、油はインキの方に入ることはなく、仮に油が切れてもパッキンに損傷を与えない、大変苦心した構造になっています。この構造に行き着くまでは、ペン芯と勝るとも劣らない位大変でした。

 首と胴の部分は、パッキンを使わずにすりあわせのみで気密を保ち、完全に耐圧試験しております。この点は後日別途解説します。

 インキ止式について、よくいただくご質問に以下のようなものがあります。
 それは、インキ止式の場合、後ろをあけたままにして書くが、そこからインキが漏ることは無いか、ということです。
 後ろをあける、後ろをゆるめると言っても、後部はガスケットで完全に遮断されており、インキや空気が軸内部に入ったり出てきたりすることはありません。後部をあけていただくと、後部つまみに装着されたロッドを通じてペン芯最後部のところの遮断弁が開くだけなのです。開くのは首軸最後部ペン芯最後部のところにある弁なのです。インキ室後部を開けてしまうわけではないので、後部からインキが漏ることはありません。
 ただし、古いインキ止式でコルクを使ったパッキンの場合、コルクが劣化して軸内部のインキが漏ることはあります。その場合は修理することにより直ります(この修理は当方で行っております)。私の品物では、コルクは全廃しておりますので、漏ることはありません。

 なお、最初にインキ止式は後ろをゆるめたまま書く、と記しましたが、私の品物ならキャップの気密性が高く、ペン芯の構造も考慮してあるので、筆記量が少なければ、後ろの後部つまみをゆるめなくても、ある程度の文字は書けます。ちょっとした走り書きメモ程度なら、後ろをゆるめなくても筆記できます。もし、インキの量がとぎれたら後ろをゆるめていただければすぐにインキ出は回復します。
 走り書き程度でしたら例外的に後部つまみをゆるめなくても良いですが、万年筆の筆記特性を考えると、常にペン芯にインキが来ていてペン先へと間断なくインキを流そうとする効果、私はこれを「追い風効果」と言っていますが、この追い風効果が発揮される環境の方がよいので、原則としては出来る限り後ろをゆるめて使ってください。

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Author: masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広
総エボナイト製手作り万年筆を製造しております
一切の妥協を許さない完全な商品を目指し、生涯唯一の職業として励んでおります
ペン芯までエボナイトで製造している数少ない万年筆メーカーです。

また、株式会社パイロットコーポレーション 正規販売店として、パイロット商品の販売をいたしております。

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