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黒電話とエボナイト

 先日このサイトをご覧いただいた方より、お問い合わせを頂きました。
 エボナイトで出来た戦後の黒電話を磨きたいというご相談でした。
 しかし、戦後の黒電話である限り、エボナイトではない可能性が非常に高いので、その旨ご回答させていただきました。
 黒いプラスチックをエボナイトと理解されているケースが非常に多いですが、アンティーク品も含めて身近なところでエボナイトをを手にしたりみる機会はほとんど無いと言っても良いくらいです。セルロイドの方が接する機会は多いと思います。代表例として、卓球のピンポン球はセルロイド製です。

 万年筆の場合もエボナイトのものはほとんど無いと言っても良いくらいで、雑誌や書籍・インターネットサイトなどでは、エボナイトではないものをエボナイトと紹介されているケースが多いですが、無理もないことかもしれません。私が知る限り、首やペン芯などまで含めて全部エボナイトで謹製しているのは、現在では私のところだけかもしれません。万年筆をエボナイトで作る場合、首やペン芯などもエボナイトで作らないと素材の特徴を活かしたことにはなりません。素材の質感が良いからエボナイトを使うのではなく、ねじのゆるみにくさ、締結性や、インキとの相性、耐久性が優れているのでエボナイト素材が万年筆素材としてベストなのです。プラスチックやセルロイドより遙かに優れています。

 私がみればエボナイトかそうでないか見分けることは可能ですが、皆さんがみて見分けるのはちょっと難しいかもしれません。
 エボナイトは磨くのは非常に困難です。プラスチックやセルロイドを磨くとエボナイトの困難さに驚く位です。エボナイトも一見磨いたような表面状態を作ることはできますが、本当に完全な状態にするのはたいへん難しく、多くのエボナイト製品も、完全な状態のエボナイト表面ではなく、完全な状態のものは市場に出ておりません。私の製品は、最高の状態で出荷していますが、それも、テスト出来る環境があるから実現出来たのです。
 完全に、面をダラす※ことなく磨くのは非常に難しく、万年筆製作工程の中でも一番難しい作業といっても良いかもしれません。

※面をダラす
 面がダレる、とは、平面が微妙にでこぼこになったり、端の形状が変化してしまうことです。
 車のボディーも一部だけを研磨剤で磨きすぎると反射が異様になります。これも、「面ダレ」の一種です。きちんと切削されていないでこぼこの軸を無理矢理磨くと表面はなだらかになり、つやも一応出ますが、これも面ダレが起きていることに他なりません。従って表面のつやだけで技術の評価は出来ないのです。ただし、各工程を完璧にこなさず、無理矢理つや出しでごまかしたものは、みてすぐにわかります。

 ちなみに、黒電話は私のところでも1977年製の600型をずっと使用しております。ISDNのターミナルアダプタやIP電話などのモデムでも、パルス信号に対応しているものでしたら使えますし、直配線式のケーブル末端をモジュラージャックに変換するアダプタも市販されています。
 私のところの作業場では、機械の轟音がしますが、そんな中でも着信音が聞き取れるのは黒電話のベルだけです。他の電話機では全く聞こえないのです。

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 masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広

Author: masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広
総エボナイト製手作り万年筆を製造しております
一切の妥協を許さない完全な商品を目指し、生涯唯一の職業として励んでおります
ペン芯までエボナイトで製造している数少ない万年筆メーカーです。

また、株式会社パイロットコーポレーション 正規販売店として、パイロット商品の販売をいたしております。

422-8017
静岡市駿河区大谷769-3
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