Entries

ドリルを研ぐ

穴を開ける刃物に、ドリルというものがあります。
良く一般に目にするものの正式名称はツイストドリルですが、様々な種類のものがあります。
私も以前は、良く自分でドリルを火造りして作りました。木炭とコークスで鋼を赤めて、鍛造するのです。とてもたいへんな作業です。
今は、手法を少々変えて、一般に市販されているツイストドリルを多く使用しております。
機械加工の道に入るときに、ドリルが研げなければならない、と言われることが良くあります。今は簡易な研ぎ機もありますが、基本的にはやはり自分で研げなくてはなりません。今は機械加工現場でも替え刃のような刃物が多用されていますが、刃物を研ぐというのはとても重要な作業です。
私のような作業の場合は、ロクロで使うバイト(キシャゲとも言って外径などを削る刃物)や、ネジを切る刃物は頻繁に研がなくてはなりません。むろん、替え刃方式のものなどありません。刃自体も最初は母材から大きく自分で刃を付けます。万年筆素材のエボナイトは刃物の持ちが非常に悪いので、かなり頻繁に研がなくてはなりません。金属を削る方が遙かに長く切れます。品物によっては、砥石を削っているのではないかと思うくらいすぐに切れ味が悪くなるエボナイト素材もあります。
様々な刃物があるなかで、やはり、ドリルの研ぎは難しいなと思います。
私も、ドリルを使い始めた当初から、ドリルの研ぎの練習をして参りました。用途に応じて様々な形状に研ぐのですが、原則的にドリルの先端は118度に研ぐようにドリル自体が作られています。富士山の山の角度と似ていると言われることがあります。118度以外の角度で研ぐことはもちろん可能ですが、118度で研いだ時のみ、刃先が直線になるように作られているのです。だから、118度で研ぐようにドリル自体が作られていると言えるのです。
私が使うドリルは、0.5ミリから20ミリ以上のものまであります。太いものも、細いものも、どちらもそれなりに難しいです。
先端の角度は右も左も118度(59度)で、山の頂点はドリル軸の中心に、つまり両方の刃の長さを同一に(専門的にはチゼルエッジの偏心とか、リップハイトなどといいます)、刃先先端から後ろへ均等に同一角度に逃がす(二番を取るとか、逃げ角をつけるなどと言います)、こういったことを、一度砥石に当てたその瞬間に行わなければならないので、結構たいへんです。おまけに、形状だけ作ることができても、先端の切れ味が悪ければどうしようもありません。
ドリルはかなり長さがありますが、柄の方に行くに従って百分の数ミリ細くなってる(バックテーパーがついている)等、短くなればなるほど様々欠点が出てきてしまいます。万年筆ペン先のイリジウムと同じように必要最小限の摩耗量(研削量)で押さえたいものです。
研いだ後、穴を開けてみて、左右の刃先から、同一量の切りくずが出れば、穴の大きさはほぼドリルと同じ大きさの穴が開いています。
やってみるとわかるのですが、左右の切れ刃から同一量の切りくずが切れ味良く出るようにするのはなかなかたいへんです。
おかげさまで、今は、とても理想的に研げるようになりました。
万年筆づくりに限らないとは思いますが、道具の手入れにかなりの時間を要しますし、とても神経を使います。
こうした刃先研削の経験も万年筆ペン先研ぎに生かされています。

※私が研いだ先端角118度のツイストドリル
Pd1010079.jpg


※私が研いだ、先端角118度のツイストドリルから改造した薄板用ドリル
ローソクドリルなどと呼ばれることがあります
P1010084.jpg


※切れ味の良い刃物で削っている例
kezuri.jpg


※左右均等に切りくずが出る加工例
8.jpg

6-1.jpg

P1010017.jpg

1.jpg



この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://masahiro14k.blog67.fc2.com/tb.php/22-12f8d044

0件のトラックバック

Appendix

お知らせ

masahiro万年筆製作所 本サイト



masahiro万年筆製作所製品
商品価格・最新在庫状況

 
masahiro万年筆製作所 パイロット製品・masahiro製品販売ショップ

販売商品 検品調整スタンスの詳細

ペン先字幅記号について

パイロット製品名入れについての詳細

カスタム74透明 税抜 10,000円 のご注文は以下からどうぞ
ペン先F ペン先M



すべての記事をご覧になりたい方は、
いちばん最初の記事
から、本文一番下の
「次の記事に移動する」
を記事ごとにクリックして、順にさかのぼってご覧頂くか、以下の全記事表示をご利用下さい。

全ての記事を表示する(ベータ版)

プロフィール

 masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広

Author: masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広
総エボナイト製手作り万年筆を製造しております
一切の妥協を許さない完全な商品を目指し、生涯唯一の職業として励んでおります
ペン芯までエボナイトで製造している数少ない万年筆メーカーです。

また、株式会社パイロットコーポレーション 正規販売店として、パイロット商品の販売をいたしております。

422-8017
静岡市駿河区大谷769-3
masahiro万年筆製作所
090.jpg
FAX 054-298-7473
masahiro14k@gmail.com
http://www.masahiro.gr.jp/

携帯向けページ

PC向けと同じアドレスになります
http://masahiro14k.blog67.fc2.com/
QRコード
携帯向け販売サイトもPC向け販売サイトと同アドレスです
上記携帯向けWebLogサイトから販売サイトにアクセスできます
アクセス方法解説ページ

現在の閲覧者数: