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昭和11年パイロット製オブリークペン先

 以前、ひねり許容性について言及しました。そのときご紹介した、ひねり許容性を高めるためのペン先先端形状を持ったペン先である、オブリークペン先、ペン先先端形状としてはかなり古くからあるものです。
 現在では、パイロット製品にはありません。エクストラスムーズという特殊な研削を施したペン先はありますが、オブリークとは若干異なります。
 オブリークペン先は、先端を斜めにカットしたものであり、エクストラスムーズは、筆記部分の平面を吟味研削したものです。
 
 私のところにある、パイロット昭和11年のエボナイト製テコ式万年筆に、かつてのパイロットオブリークペン先が装着されたものがありますので、ご紹介します。当時のオブリークとはどのようなものだったのでしょうか。
objiku.jpg

 ペン先は、当時の3号ペン先、もちろん14金です
ob000.jpg

 以前ペン先字幅の特殊な呼称でご紹介したマニフォールドと同じ大きさの規格です。
manif-old.jpg

 なお、この号数は、絶対的な基準はなく、同時期に販売されたペン先と大きさの比較目安のために付された単なる符号です。
参考過去記事
 したがって、現在のパイロット3号ペン先とは全く異なりますし、同一性はありません。
 先端は次の画像(ペン芯側から見た画像)のように、斜めにカットされています。先端はほとんど減っていません。イリジウム・イリドスミンの品質がすばらしいことがよくわかります。書くまでもなく、書けば書くほど書き味が良くなる、硬いイリジウムの商品です。表面光沢もすばらしいです。
ob00.jpg

 ひねり許容性のところでもご紹介しました他社のオブリークペン先と比較すると、斜め度合いが手頃で好印象です。
 以下はドイツのあるメーカーの現在のオブリークペン先(未使用品。ペン先刻印はOB)ですが、こちらのほうがもう少し斜めになっています。
ob02.jpg

 今回ご紹介したパイロット昭和11年のオブリークペン先について、もう少し見てみます。 
 ペン先硬さはかなり硬いです。オブリークは、穂の長さ(ペン先の一番えらの張った部分から先端部分までの長さ)が、短穂仕様で、上記画像の古いマニフォールドも短穂で作られていたペン先です。マニフォールドは、硬く作られたペン先でしたが、現在のペン先と比べてそれほど硬く感じません。それに比べて、オブリークは、あきらかに硬いです。現在のペン先は、ボールペンの普及から筆圧が強い方が多いので、硬いペン先が多いのですが、現在のパイロット製ペン先(FやMなどの通常のペン先)とほぼ同じくらいかほんのわずか柔らかいか、と言った程度の硬さです。
 ペン先先端の研削形状は至って普通です。明らかに手研ぎです。現在のペン先は、先端を機械で数値制御研ぎしています。現在の数値制御研ぎと比べても、非常に丁寧に研がれています。メーカー出荷状態として、非常にすばらしいです。胸のすくような美しさです。現在のペン先では、手研ぎであっても、当時のパイロットの手研ぎのペン先のような、個性はあるがペン先にとってベストな研ぎが見られません。私が常に意識しているのは、当時のこのペン先研ぎに見られる研ぎスタンスと申しますか、基本姿勢なのです。

 軸には刻印があります。
ise.jpg

 デパート仕様の軸だったわけです。

 軸の中に入っているゴムをつぶす金具とリターンスプリングは、漆を焼き付けてあります。
bar01.jpg

bar02.jpg
※手前の木は撮影のときに使用したものです。

 これは、劣化したゴムが金具にへばりつくのを防止するために施されたものです。
 おかげで、この軸に入っていたゴムはすでに劣化していましたが、金具からは簡単に外れました。このような処理を施していない金具では、完全に固着してしまっているものがほとんどです。

 昭和11年のペン先ですが、戦前の14金のペン先としては最後に近いものです。
 昭和12年12月には省令により、金ペンには12金を超える品位のものは禁止になります。14年5月には金の使用が全面的に禁止になります。パイロットでは昭和13年に金の使用をやめています。
 なお、12金ペン先は、耐酸性などはステンレスに劣るものであり、12金とと14金の間にはかなりの隔たりがあるのです。
 最近では12金のペン先などはあまりありませんが、12金や10金のペン先を書き味調整修理で何本かお預かりしたことがあります。弾力や特性、表面の金色はかなり変わっています。書き味弾力は、冷徹な感じです。14金でしたら、硬いペン先でも、立体的なふくよかな弾力があるのですが、それがないのです。

 今回ご紹介したパイロットのペン先からわかることとして、パイロットのオブリークは、オブリークでありながら、あまりひねらない方でも問題なくお使いいただける、汎用性があります。逆に言えば、このペン先は、極端なひねり方には対応できません。ただ、このペン先で対応出来ない位までひねって保持するのは感心しないです。
 必要最小限の彩りを意図的に加えたペン先と言えましょう。

 古いペン先ですが、細部まで眺めていますと、大変丁寧に作られていることがわかります。

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Author: masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広
総エボナイト製手作り万年筆を製造しております
一切の妥協を許さない完全な商品を目指し、生涯唯一の職業として励んでおります
ペン芯までエボナイトで製造している数少ない万年筆メーカーです。

また、株式会社パイロットコーポレーション 正規販売店として、パイロット商品の販売をいたしております。

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