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金張りと金メッキ

万年筆の金具には、金の装飾が施されることが多いです。
キャップ入り口などに取り付けられる金輪は金の無垢でも良いので、その場合は表面は地のままですが、クリップは弾力性が必要なので、クリップ自体のバネ性で機能させている方式のクリップは、ほとんどの場合、表面が無垢のままでは不都合があるので、表面処理がなされております。

ちなみに、クリップの中にはキャップ内部にコイルスプリングを装着してそのバネチカラを利用し、クリップ本体は全く弾力が無いアルミ合金などで製作したものもあります。

特に金色の表面処理を施すにはいくつかの方法があります。
有名な方法としては、金メッキと金張りがあります。
双方の違いについてご説明してみたいと思います。

金メッキは、ご承知の通り、素材を希望形状に加工後、素材表面に金の薄膜を主に電気的な方法で電着させたものです。通常は素材表面に直接金をメッキすることは少なく、若干の下地メッキをします。
金張りは、金被せとも呼ばれます。素材本体は台金と呼びますが、主に真鍮(黄銅)、まれに銀などの台金を用います。金張りは台金と金とを重ねて赤熱して圧着して作ります。その後、接着した状態で薄板、線などに自由に加工して部品を形作ります。
つまり、金メッキは事後的なものなのです。そのため、金メッキは、はがれた場合、補修ができますが、金張りは金張りの手法で補修することは不可能です。また、金張りは、原則として素材の裏側(クリップの裏など)は、何も表面処理がされていない地肌のままが多いです(これで端的な区別ができます)。

上記のように金張りは、まず金を張りつけてから加工するため、金張りされた表面の金は、かなり硬くなります。金属は、加工すると硬くなるという「加工硬化」という性質があります。実は私たちの身の回りの多くの製品が、金属が加工硬化する性質をたくみに応用して作られています。薄い真鍮の板を先の尖った鐘木槌という小ハンマーでたたいてたくさんのへこみ(槌目)をつけてみます。曲げてみますと、加工前とは比べものにならない硬くなります。銅の食器の周りに付けられたデコボコな槌目もこの加工硬化させるために付けられていることはつとに有名です。なお、加工硬化したものを柔らかく戻すことも実はは可能です。
従いまして、圧延のまま作られたものでしたら、表面の硬さは、金張りの方が遙かに硬いです。

金の厚みは、金張りの方が若干厚いですが、今では、金メッキでもかなり厚くすることができます。

では、どちらが良いのでしょうか。
上記をお読みいただければ、金張りの方が遙かに良いと思われると思います。金の表面だけを微視的に見れば、金張りの方がベストでしょう。確かに現在市販されている高価な万年筆でも、使用につれた擦過により金メッキが割と早くはがれる品物もあります。
しかし、総合的に見ると、私は、金メッキの方が良いと思っております。
金メッキでしたら、部品全部をメッキできますし、裏側が未処理の素材のままということはありません。また、良いクリップを作る場合、金張りではへたらない良いクリップを作るのが非常に難しいです。私自身クリップを自社生産していて、ずいぶんいろいろ苦労しましたのでよくわかります。

なぜ金張りでは良いクリップが出来ないのか、それは、金張りという手法に問題があるのではなく、金張りが真鍮に施されることが多い、逆に、金張りは真鍮にしか出来ない、この点が問題なのです。手元にある以前の金張りされたクリップは、本体素材は真鍮です。この真鍮を使うというのが問題なのです。うまく作らないと真鍮ではあまり良いクリップは出来ません。古い万年筆でクリップの付け根の90°曲がったところが簡単に折れてしまうものが非常に多いですが、真鍮を使った場合、うまく作らないとこのようなクリップになってしまうのです。

今現在金張りはほとんど行われておりませんし、クリップ素材などから考えてみましても、原則として、金メッキしかないというのが結論なのです。

以前は、メッキ技術が稚拙であったため、金張りの方がよい、金メッキでは駄目だと声高に叫ばれておりました。ほとんどが金張りにて装飾されました。当時の万年筆パーツには、金張りの場合は、金張り加工であるという旨の刻印Rと、その張りつけた金の材種(14Kなど)が刻印されておりました。もっとも、何も表記が無くても金張りで作られた品物も少なくありません。

なお、一般にはあまり知られておりませんが、ステンレスのペン先は、金メッキされたものよりも、地肌のステンレスのままの方が腐食に耐えます。何もしなくても良い素材の場合は、何もしない方が良いのです。

※戦前のパイロット万年筆に装着されたクリップ
メーカー名の「PILOT」 とともに、「R9K」という刻印が見えます
側面は金張りがだいぶはがれておりますが、はがれ方が金メッキとは全く違うことにお気づきになると思います
20060531165035.jpg



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