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ペン先を上にして保存した場合、書き出しにインキが出なかったりすることがあるのはなぜか

 万年筆を使用し終わって、キャップをして保存した場合、キャップを上に保存すると、書き出しにインキが出なかったりすることがあるのはなぜか、というご質問を頂くことが最近非常に多いので、過去記事にも関連事項を書きましたが、改めて、まとめて解説します

 まず、キャップに気密性が無い場合は、ペン先が乾くのは仕方ありません。
 古い商品でキャップに穴が空いているものがありますが、適切に設計されたものならば、穴が空いていてもそこからインキが蒸発することは一切ありません。キャップには、構造上、穴を開ける必要がある構造設計のものもあります。また、開ける必要がないものもあります。こういう点は修理でキャップを製作するときに判断しなければならない重要な点なのです。
 従って、穴が空いていてもそこからインキは蒸発することはない・・・と言いたいのですが、古い商品では、むやみに穴が空いているものもあり、残念ながら、どんどん蒸発してしまうキャップも存在します(そのようなリスクのある商品の見分けは写真などでは困難というか不可能なため、特に古い商品をオークションなどでご購入になるのはリスクが伴います、)。
 また、キャップの穴が適切に空いていても、クリップ取り付け部分に通気性があり、インキが乾くものも古い商品に多いです。これは簡単にチェックができます。まず、キャップに穴が空いている場合は、その穴を指などでふさぎます(穴の数が多い場合はテープでふさいでも良いですが、テープを剥がすときに、漆ラッカーされた軸ですと一緒に漆が剥がれることがあります)。その後、キャップ入り口を口でくわえて、息を吹いてみます。クリップ取り付け部分から、空気が漏れる場合、音や通気性ですぐにわかると思います。このクリップ取り付け部分に通気性あるものは、残念ながら古い商品では非常に多いです。この点は改善修理は可能ですが、構造上の問題から、あまり改善はおすすめしておりません。当然クリップ取り付け部分に通気性があれば、そこからインキが漏れることがあります。
※私の商品では、製作した修理部品・自社製品キャップとも、一切気密が漏れないような設計になっています。

 キャップに通気性があれば、そこから乾くのは当然のことです。

 通気性あるキャップにより、インキが乾く可能性があるというのは、筆記後色が変わったり(色彩雫インキの一部など)、変化する(古典的ブルーブラックなど)インキは、ペン先ペン芯でその反応が起きてしまう、ということでありますし、そうでなくても、乾くということは濃くなるということなので、決して良いことではありません。この点、インキ止部のある商品は、後部を閉めておけば、軸内部のインキは濃くなったり、乾いたりすることはないので、より有利です。

(以下の文章はキャップには問題がないことが前提です)

 次に、水平に保存した場合は良いが、キャップが上になるペン先が上の、万年筆を立てて静置しておいたとき、1~2日なら良いが、3日くらい経つと、ペン先からインキが書き出せないことがあるというご指摘があります。
 これは、
●レバーフィラーの商品
●コンバーターを使用した場合
●ペン芯やインキ流通部分各部分の設計が良くない場合
に起きることが多いです。
 この理論は以下の通りです。
 まず、ペン芯には必要量のインキ保持能力があるので、立てて置いた状態で、ペン芯へのインキ供給がない状態でも(ペン芯の最後部がインキで浸っていなくても)、ある程度(といってもわずかですし、わずかでじゅうぶん)はインキを保持します。しかし、ペン芯は、必要量だけのインキを流すのが理想であり基本。従って、ペン先を上にして3日くらい保持しておけば、ペン芯に流れたインキは、ペン芯からは離れてしまいます(ペン芯には余計にインキを流さない方が良いのでこれは逆に良い現象)。
 しかしながら、適切に作られたものでしたら、書くときにキャップを外してペン先を下にすれば、ペン芯にインキが供給されることにより、瞬時にインキ出は回復します(一度インキが通されたペン芯は、適切に製作されたものならば、瞬時にインキ伝わります)。
 上記に、書き出せない場合があり得る事例を書かせて頂きましたが、ペン先を上にして置いたとき、レバーフィラーの場合、インキが吸入ゴム最後部に全部移動し、ペン先を瞬時に下にしてもそのインキが内壁についたまま降りてこないこと※(コンバーターの場合も同じ理由)が原因です。軸インキ室内部で、インキが自由自在に流動性あるものが一番です。インキ流通部分各部分に問題がある場合は、ペン先を下にしてもペン芯最後部にすぐにインキが行き渡りませんし、インキがペン芯最後部に行き渡っても、ペン芯に問題があれば、瞬時に流通はしません。
 私の品物については、この辺はじゅうぶん考慮して設計しております。

※この現象のため、ペン先を下にして筆記している最中でも、ゴムの中にはインキが入っているのに、ゴム内壁にインキが付着して降りてこず、インキが途切れることがあります。ゴム吸入タイプのひとつの欠点ともいえます
 
 コンバーターやレバーフィラーでも、コンバーターをカートリッジに変えたり、書き出しに軸を少し振ったり、倒立動作をして、吸入ゴムなどの最後部にたまったインキをペン芯に移動するようにして頂ければインキは流通します。ペン芯やインキ流通部分に問題があるものは改善は無理です。それ以前にペン先を下にして書いていてもインキが途切れるもの(残念ながら構造上、プランジャー式のオノトがそうです)も、流通部分に問題がある商品ですので、根本的な改善は不可能です(倒立動作をして頂ければ使用時のこのような問題は改善されます)。
 レバーフィラーのオノトでしたら、吸入ゴムの問題だけです。

 キャップや後ろのキャップとも言えるインキ止部をゆるめて頂ければ、立てて保管しても、ペン芯後部にインキが行き渡れば、インキは流れますし、それが大前提です。多くの製品は、全く意識することなく問題なく使えます。そのように機能しない商品があれば、前述の諸問題が影響しているわけですので、原因が特定されて、上に少し書いたいくつかの回避手段で上手く回避できそうであれば、上手く回避して使うのが良いでしょう。やはり、横にして保管する、というのは、試みてみるべき端的で最良の改善策です。どうしても、ペン先を上にして保管したい場合1~2日ならばなんとか保てるならば、2日以内に一回は使うようにする、というのも、改善策の一つです。

 若干リスキーではありますが、現代のちゃんと考えて作られたペン芯の商品ならば、ペン先を下にして保存して頂いても大丈夫なことが多いです。逆に、古い万年筆のペン芯は、絶対にペン先を下にしては保管できないと言っていいほど、リスクのあるペン芯が少なくないです(このことから古い万年筆は、特にお好みの方にしかおすすめできません)。ペン芯は進化しているのです。
 ダイレクトタイプ(インキ止式)ならば、後ろをしめて頂ければ、ペン先を下にして頂いても全く問題ありません。
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 masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広

Author: masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広
総エボナイト製手作り万年筆を製造しております
一切の妥協を許さない完全な商品を目指し、生涯唯一の職業として励んでおります
ペン芯までエボナイトで製造している数少ない万年筆メーカーです。

また、株式会社パイロットコーポレーション 正規販売店として、パイロット商品の販売をいたしております。

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