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ペン先ペン芯は絶対に外さないでください

 ペン先ペン芯を外してお掃除なさる方がいらっしゃいますが、極めて危険です。
 大切になさっている場合は特に、絶対におやめください。

 まず、ペン先ペン芯を外すと、入り固さ(剛性)がゆるくなることがあります。これは1回外しただけでも起こり得るのです。
 車の部品などで、セルフロックナットというのものがあります。装着すればゆるみが防止できるが、取り外したら再使用は不可というものです。
 ペン芯も、一度取り外したら再使用は不可・・・というわけでもありませんが、再装着時に、再装着前と同じ状態であるかはチェックする必要があり、そのみきわめ方も習得する必要があります。
 問題があれば、新しい部品に変えるか、改善して再装着する必要があります(新しい部品と交換しなくても、改善できる場合が少なくありません)。
 安易に行なった場合のほとんどは、再装着時は、取り外し前より悪くなっていることが多いです。
 もちろん、再装着しても取り外し前と全く状況が変わらない状態が確保できる商品もあります(ただしそのような商品の多くは特殊工具を要します)。これは具体的な商品や構造により異なります。外す前に、装着された状態だけを見て、再装着時の状態を判断することは不可能か、非常に困難です。

 また、取り外し前と再装着時に状態が変わる商品だからと言って、悪いというわけではありません。車のセルフロックナットが再装着できないから劣るとは言えないのと同じことです。

 ボーテックスなどのように、ペン先ペン芯を外すことが大変な万年筆もあります。

 ペン先ペン芯を外した後、見た目に取り外し前と同じ状態に組めても、ペン先先端が、取り外し前と比べて位置がずれている(食い違い、といいます)ことがあります。
 なぜそのようなことが起きるか、というと、ペン先はペン先単体ではなく、ペン芯と組で、ペン芯がペン先を若干押すような感じで組んでいるからです(ペン先とペン芯は実は商品ごとに個性のある組として調整されています)。
 ペン先とペン芯の組位置がほんのわずかでもずれると、ペン先先端は極端に変形します。正しい状態に戻れば理論的には形状は揃いますが、驚くほどわずかの寸法で食い違いが起きたりします。

 また、商品によっては、ペン芯を取り外したり、装着するときに、ペン芯の首内部にはまる部分が折れたり、亀裂が入ることがあります。ペン芯を首に入れるとき、バチバチとペン芯の溝(フィン)が首の入り口に当たり音がする場合がありますが、音がして入るような入れ方をすることからしても、それだけフィンに曲がる力が加わっているわけです。
 ただし商品によっては音がするような入れ方にならざるを得ない構造のペン芯もあります。

 ペン先ペン芯を分解して頻繁に洗うのは、一見万年筆によいように見えます。
 しかし、場合によっては状態をより悪くしている場合もあるのです。
 
 もちろん、メーカーが行なう場合は別です。
 安易に行なうべきではなく、商品ごとの特性を考慮して行なうべきで、その特性は、一般的に見ただけでの判断は非常に難しいです。
 それに現在の良質なインキは、仮に内部でインキが固まっても、ペン芯を分解せずに状態を良くすることも可能なことが多いです(問題が起きにくいインキを使うのも大切なことです)。そうである以上、お手元で分解できることが商品に要求されるとは言えません。一部の特殊なインキが、当該メーカーの商品のみに使用が限定されているのも、こんなところに理由があると考えます。
 当然必要な場合はペン芯を外して洗浄するか、ペン芯を交換したほうがよいです。
 しかし、取り付けた後の状態のチェックは必要で、入り固さなどが装着前より悪くなるような状況は絶対にあってはならないのです。
 当然、特殊工具が必要な場合もあり、安易に穴の空いた台でペン芯をたたいて外して状態を悪くしてしまうケースも多いのです。

 この点、私の製品は、ペン先が非常に固く入っていますが、こちらにある特殊工具を使えば、スムーズにペン芯を外せますし、再装着も、特殊工具を使う限り、取り外し前と同じ状態になります。そのような正しい外し方をする限り、問題はありませんし、ペン芯が折れたりすることはありません。 
 これが、もし、穴の空いた台でむやみにたたくようなことをしたら、ペン芯内部部品は折れてしまいます。

 ペン先ペン芯は外さないに限りますし、外して洗う必要のない使い方こそが、何よりベストな使い方なのです。
 頻繁にペン先ペン芯を外して洗っていると、手入れが良く、大切にしているようなイメージがありますが、むやみに分解手入れはしないほうがよいのです。一度もペン先ペン芯を外したことがなく、スムーズにインキが出ているならば、そのような使い方こそが理想的で素晴らしいと言えます
 むやみに分解しなければ、取付部分の剛性が低下したりするような問題が起きることはほとんどありません。
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Author: masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広
総エボナイト製手作り万年筆を製造しております
一切の妥協を許さない完全な商品を目指し、生涯唯一の職業として励んでおります
ペン芯までエボナイトで製造している数少ない万年筆メーカーです。

また、株式会社パイロットコーポレーション 正規販売店として、パイロット商品の販売をいたしております。

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