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まんねんふで

 現在我々が話している術語のほとんどは、明治時代に外国語を翻訳したものであるということを以前聞いたことがあります。
 それを初めて聞いたときはたいへん驚きました。
 それじゃ我々が普段話していることばは日本語ではないのではないか、などと、複雑に思ったことを良く覚えております。
 でも、よく考えてみると、新たな分野が持ち込まれたとしたら、新たな術語も持ち込まれるわけです。現地の術語をもとに、漢字を当てたりして日本で通用する術語を作り出したという事実を純粋に考えれば、そうやって言葉を作っていったという事実に納得できます。
 「炎症」という言葉も、ドイツ語そのままの当て字ということはつとに有名です。それにしても、こうやって言葉を作って言った当時の人たちのセンスはすごいものだと感心せずにはいられません。

 万年筆という商品名も語源は諸説ありますが、明治時代に作り出されたことばであることは間違いがないでしょう。
ちなみに、明治時代は、「まんねんふで」と発音していたことは注目に値する事実です。

 秋田犬は「あきたいぬ」が正しいようですが、「万年筆」はどう呼ぶのが正しいのでしょうか。

 現代では、「まんねんひつ」と発音するべきだと思います。辞書にも「まんねんひつ」と表記されております。素朴に発音しますと、「まんねんふで」、では、少々不自然だと思います。現在一般的に「まんねんひつ」と呼ばれているという事実は軽視できないこと、「マンネンふで」ですと、重箱読み、「マンネンヒツ」なら、すべて音読みとなり、その点からも「まんねんひつ」の方が良いと思います。



※私の商号は「まんねんひつ」と呼んでください。

なお、以下で「まんねんふで」という表記を見ることが出来ます。

夏目金之助『漱石全集第十二巻』728頁(岩波書店、1994)には、「余と万年筆」という作品に関する注解として、「万年筆まんねんふで」というルビ付きの表記に接することができます。「余と万年筆」は明治45年初出です。
この有名な「余と万年筆」は、「よとまんねんふで」と読むべきなのでしょうか…。なお、初出の底本文献に当たったら、「余と萬年筆」と表題がありました。岩波書店が全集にまとめるときに、新字に改めたというわけです。

寺田寅彦『寺田寅彦全集第十二巻』356頁(岩波書店、1997)には、同じく、「万年筆まんねんふで」というルビ付きの表記に接することができます。本文の記事の初出は明治41年です。

『明治の文学 第11巻 内田魯庵』(筑摩書房、2001)には、「萬年筆の過去、現在及び未来」という明治45年~大正元年に掛けて書かれた文章が掲載されておりますが、ルビは見あたりません。

なお、夏目金之助と内田魯庵の文章は当時の万年筆界を知ることが出来る貴重な文献ですので、ご一読をお勧めします。後者の方が読み応えあります。



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