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初めての万年筆購入経験と空カートリッジ

私が最初に購入した万年筆は、パイロットのカラーバーディという万年筆です。小学生のころです。
当時のカタログを見ますと、今では考えられないくらい若い人向けと思われる万年筆が掲載されています。
カラーバーディはそのひとつです。

当時、なぜ万年筆を使いたいと思ったかは覚えていません。確か日記を書こうとしたので、そのために買ったのかもしれません。当時万年筆を使っている人など同世代に誰もいませんでした。
当時、カラーバーディがパイロットのものだとは知りませんでした。万年筆メーカーもよく知りませんでした。
そのため、インキは別のメーカーのものを買ってしまったのです。
無理矢理はめて書きました。
当然インキは軸内部から漏れて来ますし、ペン先からのインキ出が悪く、壊してしまいました。当時のものは手許にありませんし、購入した近所の文具店も過日閉店してしまいました…。
次に万年筆を買ったときは、軸に掲載されているメーカー名と、カートリッジ箱に掲載のメーカー名スペルを一文字一文字念入りに確認して購入したことを覚えています。

だいぶあとで、静岡市内のお店で、購入した万年筆とそれに合う万年筆カートリッジを、メーカー名スペルを指でたどって確認しながら買っている高校生らしき女性を見かけたことがあります。とてもほほえましかったです。

考えてみると、万年筆使い慣れていない方は、万年筆メーカー間のことや、コンバーターが各社に用意されていることなど、わからないですよね。
私もコンバーターがパイロットにもあることは、メーカーに電話して知った次第です。
万年筆自体に入っているメーカー名も非常に小さくわかりにくいこともあります。
もちろんこういった情報は店頭で教えてもらえるとは思います…。

高価な万年筆には、サンプルカートリッジも添付され、説明書までつきます。従って買い間違えることはないでしょう。
しかし、安価な商品は、商品ごとにペン棚にバラバラに立てて陳列され、サンプルカートリッジも説明書も箱も添付されないで販売されることが多いです。
万年筆使い慣れていない人が手になさる機会が多い安い品物こそ、気を配るべきだと私は思っていますがいかがでしょうか。たとえば、軸に適合するカートリッジ型番のシールを貼付するとか。
別の方法として、軸にカートリッジを入れておくという方法もあります。これならカートリッジ袋をおんぶしないので、陳列にがさばりませんが、内部のインキが装着されてしまう恐れもあります。そうなると、添付されたものと違った色のインキを使いたい場合不便です。洗浄しなくてはなりませんので。
この点、パイロットのペチットワンは、すでにカートリッジは装着され、インキ色ごとに軸が用意されていることは注目できます。
添付している色とは違った色のインキを使うということが起こりえません。

閑話休題。
先日、カートリッジ式の万年筆は、空カートリッジの中に入れると良いということをご紹介しました。
その記事を読まれた方より、パイロットの万年筆に空カートリッジが装着されていた、というご意見をお寄せいただきました。
確かに、私もキャップレスのダブルスペア方式では空カートリッジが添付されていたのを覚えていますし、実際手許にあります。
もしかしたら、ロットリングのように、空カートリッジに詰め替えて使うことを考えたのではないかと、一瞬思いました。
確かに、キャップレスは、海外に多く輸出されましたし、現地ではカートリッジの入手が難しかったかもしれません。
しかし、見てみると、封はされたままで、底が抜けているのです。これでは、入れ替えて使うことなどできません。
なぜ空カートリッジが添付されていたのか、考えてみて理由がわかりました。

それは、パイロットのカートリッジの場合、今はなきダブルスペアー方式は、長さが短くて、軸の中に二本のカートリッジを装着することができます。だから「ダブル」なのです。通常のものは、「シングルスペアー」と呼ばれました。
その二本をつなぐため、使用時便利なよう、連結管というものが用意されています。連結管を単に軸の中に入れただけでは、奥深く入り込むおそれがあり、軸の中に入ったままになって存在がわからなくなる可能性があります。
もちろん、この連結管が無くても使用はできます。
しかし、キャップレスの回転式では、灰色のプラスチック製の連結管がないと収納時、内部可動部品ががたつくという恐れがあるのです。※
従って、連結管が絶対に必要な構造の万年筆もあるのです。
その連結管の存在がわかりやすくなるように無くならないように、底抜けという奇妙な空カートリッジが添付されていたのだと思います。
あとは、カートリッジの実物大のものを添付することによって間違って他形状のものを購入することが無い、購入時、サンプルとして使えるというメリットもあると思います。

海外でのカートリッジ入手の点については、当時から、ダブルスペアーのコンバーターは発売されていたことを書かせていただきます。もっとも、ダブルスペアーコンバーターがもっぱら海外向けに用意されていた訳ではないと思いますが。当時の説明書が以下です。

ダブルスペアコンバーター説明書
昭和40年代か?

この説明書がついたコンバーター、実物ありますが、もちろん塩ビ製です。この説明書を見ますと、ノック式コンバーター用に「カラー」が存在するのがわかります。ただ、説明書の写真と文からも、また形状からも、この「カラー」は実物がありますが、私が言及した回転式キャップレスのがたつき防止連結管代わりには使えないように思います…。回転式キャップレスが今は手許にないため試しようがありません。
回転式キャップレスは連結管を使用したカートリッジ専用だったのでしょうか…。
しばらくすると、なぜか、ダブルスペアーのコンバーターは製造を中止してしまいます。
その後、明確な時期はわかりませんが、少なくとも1991年以降1993年までの間、ダブルスペア自体の製造をやめた代わりにダブルスペアーのコンバーター(CON-W)が製造されるようになりました。今も製造されています。しかし、今のダブルスペアーには「カラー」は存在しません。
現在のコンバーターを回転式のキャップレスにそのまま使った場合、収納時、内部可動部品ががたつかないか、少し心配があります。何か部品を作ってうまく受けるようにすることは当方で出来るとは思いますが…。私のところで、連結管や、コンバーター外周に装着できる受けの部品を作ることは可能と思います。
ダブルスペア用の灰色の連結管は、
この説明書を見ると、キャップレスにはスカイブルーインキを使用するように、とのこと。当時、インキ詰まりにものすごく気を遣っていたようです。確かに、当時のキャプレス、インキが乾きやすいといえば乾きやすいですし。換言すれば、すでに詳解した当時主流だったらしいブルーブラックインキは使わないように、ということですね。

ダブルスペアーは、通常のカートリッジ(旧称シングルスペアー)とは違って、入り口の栓が非常に取りにくいです。従って、カートリッジの中にインキを入れて使用するために入り口を開けるのはちょっとたいへんかもしれません。

今回、この底抜けダブルスペアー空カートリッジを見ていて、前半の内容について再考しました。
安い品物に、カートリッジではなく、ダミーの空カートリッジを装着しておけば買い間違えたりするおそれは無いのではないかと。

もちろん、前述のようにサンプルカートリッジが添付されていれば良いのですが、そうは行かない場合もあるのは前述のとおり。
しかし、そうすると、空カートリッジにインキを入れ替える、ロットリングのようにしてしか使えない、カートリッジなど販売されていない、と勘違いなさる方がいらっしゃるかもしれないと思います。

私は、店頭で以前、あるメーカーの万年筆と、あるメーカーのカートリッジを理解して同時に買いました。装着できないことはわかっていて、家にある別の万年筆に装着するつもりで購入しました。
店員さんが、このカートリッジは、この万年筆にはつかないが良いのか、とおっしゃりました。
結局は、こういう店員さんがいらっしゃれば何も問題がないのです。
私のところでは、どんな安い万年筆でも、ご希望色のサンプルカートリッジをおつけしていますので、お手元で追加してカートリッジをご購入になる場合も、間違えることはないと思います。

現在のパイロット万年筆では、キャップレスにのみ、位置決めのため、空カートリッジが装着されております。

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Author: masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広
総エボナイト製手作り万年筆を製造しております
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また、株式会社パイロットコーポレーション 正規販売店として、パイロット商品の販売をいたしております。

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