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エボナイトについて その4 エボナイトの欠点

 なんと言っても素材が曇ったり変色することです。
 また、加工がたいへん難しく、刃物の切れ味がすぐに悪くなってしまいます。金属やプラスチックよりも遙かに被削性は悪く、被削性の悪さは驚くほどひどいです。仕上げ削りでは、刃物を最高の状態の切れ味にして非常に細かい上質の削りカスを出しますが、そのような加工では、どんなエボナイトでも、数十秒しか刃物の切れ味は持続しません。通常の荒中加工でも、切れ味は数分も持ちません(たまにセルロイドやプラスチックを削ると、その違いに驚きます)。表面を磨くのも非常に難しいです。
 加熱されても流動化しないので、熱可塑性プラスチックの成型方法が適用できません。成型方法がとれないので、万年筆などを精密に加工するには切削加工しなければならないです。
 こういった理由から、非常にコストも掛かりますし、製造するのに根気も必要なため、総磨き総エボナイト万年筆は製造するところが少ないので(はないかと推測していま)す。
 かつて、プラスチックが主流になる前、エボナイトの切削加工や磨きがあまりにもたいへんなため、黒い軸がセルロイドで製造されたことがあります。実際、パイロットなどの当時の品物を持っております。
 そのほかに、製造上の理由から、素材表面に気泡痕(「ス」と申します)が出やすいと言うことが挙げられます。信じられないかもしれませんが、3本に1本は製品化出来ない位のスが出ることがあります。そんな素材なので、如何に根気が必要かおわかり頂けると想います。
 また、天然ゴムから作られるため、輪ゴムと親和性があります。エボナイトに輪ゴムを巻き付けておくと、エボナイト表面に輪ゴムが変質するように独特な感じでくっついてしまいます(もっとも、そうなったとしてもエボナイト自体をひどく侵すことはありません。この点、プラスチック消しゴムが一部のプラスチック素材を溶けるように侵すのとは違います)。
 黒い色の素材のため、一般的なプラスチックと見分けがつかないです。セルロイドのように素材自体の見た目で素材をアピールしないのです。
 そんなこともあり、黒いプラスチック素材をエボナイトと誤称するケースが非常に多いです。現在皆様がエボナイトを直に手にする機会はほとんどなく、身の回りにもすぐに手にすることができるエボナイトで作られたものはほとんどないと思っていただいて結構です。
 エボナイトは上記のような欠点がありますが、素材としての性能の高さは、他の素材を寄せ付けないすばらしいものがあります。その点に惚れ込んだ私は総磨き総エボナイト万年筆を製造しております。

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プロフィール

 masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広

Author: masahiro万年筆製作所  代表者 内野成広
総エボナイト製手作り万年筆を製造しております
一切の妥協を許さない完全な商品を目指し、生涯唯一の職業として励んでおります
ペン芯までエボナイトで製造している数少ない万年筆メーカーです。

また、株式会社パイロットコーポレーション 正規販売店として、パイロット商品の販売をいたしております。

422-8017
静岡市駿河区大谷769-3
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